レンズの向こう側。

写真にはかけがえのない思い出を永遠のものにする力がある

夏の自由研究(ナミアゲハの飼育)


今年、初めてアゲハチョウ(ナミアゲハ)を飼育をしました。

3匹の飼育です。

幼虫から成虫になるまで飼育したわけですが…
正直、楽しかったです。

私自身、子供の頃はカブトムシやクワガタにしか興味がなかったので、蝶の飼育をすることは想定外でしたが…
子供が捕まえてきたことがきっかけで、今夏、初めて蝶(幼虫)と向き合うこととなりました。

卵から孵化すると、茶色多めの幼虫となります。
捕食されないよう鳥のフンに擬態しているとのことです。

何度か脱皮を繰り返すと、いわゆる"アオムシ" となりムチムチとした可愛さが出てきます(笑)

エサは、山椒、ミカン、レモン、キンカンといった柑橘系の葉っぱです。
わが家では、山椒の葉とミカンの葉を与えました。

エサの調達が大変でしたが…
近くの森で山椒の木を見つけてからは調達も楽になりました。

脱皮してアオムシとなり、それから10日ほどすると蛹へと変身します。

蛹になる2日前〜前日くらいに未消化の下痢便のような大量のフンをします。

蛹になる前にお腹の中を空にする必要があるため、ここで強制的に排便するようです。

この下痢便が蛹になる合図ということです。

この排便後からは何も食べず、蛹になる場所を探す行動が見られます。
この行動を「ワンダリング」と呼びます。

ワンダリングが始まったら、止まり木を用意してあげると良いです。
ちなみにですが、わが家の一匹は、せっかく止まり木を用意したにもかかわらず、飼育箱の蓋の裏側に宙吊りで蛹になりました(笑)

ワンダリングをして蛹となる場所を見つけると、そこで糸張りをして「お祈りのポーズ」となり、じっと動かなくなります。

お祈りのポーズから一日ほど経つと、アオムシの服を脱ぎ捨て蛹になります。

蛹の色は、糸張りをした場所によって何色がパターンがあるようです。
わが家では、止まり木の蛹はグレー、飼育箱の蓋の裏の蛹はグリーンでした。
(これも擬態によるものと思われます)

蛹になれば、ただただ見守るだけです。

幼虫だった頃は、エサの調達やフンの始末などがあるので、定期的に"お世話する" ことが義務となっていましたが…
蛹になると、それからは見守ることが飼育となりますので、ちょっとしたロス感があります(笑)

蛹になると、10日から2週間ほどで成虫(蝶)となります。

ただ、気を付けなければならないのは、成虫となったタイミングでの放置は避けなければならないということです。
蛹の殻を破り蝶の姿で出てきてから1時間半ほど羽を乾かします。
その後は羽ばたくことができる状態(飛びたい衝動・飛ぶ本能)になりますので、飼育箱の中で羽をバタつかせ暴れます。狭い飼育箱で暴れれば、当然、羽は傷みます。

蛹から蝶となり、放蝶するまでは目が話せない状況となります。

暴れ出したら放蝶の合図です。
羽を傷めることのないよう自由な空へ放つことができれば、飼育は成功だったのかな思うことができます。

人間のエゴで飼育した生き物に対して、最後の最後に辛い思いをさせるわけにはいきません。最後の最後まで責任を持って飼育することが大切だと思います。

最後になりますが…

今回初めて蝶を幼虫から育てるということを経験しましたが…
こうして記録を取ることは想定していませんでしたので、その都度、写真は撮っていましたが、成長記録のようなもの(体長、脱皮の回数、成長日数など)は取っていませんでした。

写真に記録されたExif情報と記憶を基に「自由研究」のタイトルを付け作成しましたが、しっかり飼育研究をされている方から見たら拙い記録であり、決して"研究" と呼べるものではありません。
それでも、こうして蝶の成長過程を観察することができたのは、とても良い経験だったと思います。少し大袈裟ではありますが、この歳になっても、まだまだ知らない事、経験したことのないことがたくさんあるということを改めて知ることができました。

またいつかナミアゲハを飼育する時には、今夏の飼育経験を生かし、余裕を持って成長記録を取ることができるような気がします。